インボイス・マネジャー2023の紹介|2023年9月に提供を予定
「インボイス・マネジャー2022」に、さらに機能強化を行い、2023年9月に提供を予定している「インボイス・マネジャー2023」を紹介します。
「インボイス・マネジャー」とは電子帳簿保存法に定める電子取引データの保存要件及びスキャナ保存制度の要件に対応した TKC のクラウドサービスです。
搭載していた機能は現在の FX 4クラウドの証憑保存機能と同じものでしたが、そのインボイスマネジャーにデジタルインボイスの送受信機能を搭載した「インボイスマネジャー2022」を、2022年12月に提供いたしました。
また、インボイスマネージャーは証憑保存機能と異なり、経理部門以外の現場の担当者の利用も想定しています。
インボイスマネジャー2023では FX 4クラウドをご利用の企業様における DX を支援すべく、より詳細な仕訳を生成できる機能や承認・確定機能を搭載する予定です。
1.レベルアップ全体像
インボイスマネージャー2023では、以下5点のレベルアップを予定しています。
【1】適格請求書発行事業者の登録番号のチェック機能の搭載
【2】より詳細な仕訳生成機能の搭載
【3】承認・確定機能の強化
【4】 Web サイト上の請求書データを印刷感覚で保存できる機能の搭載
【5】ぺポル仕入明細書の送受信機能の搭載
提供予定:2023年9月提供予定
本記事では、これらの5点のうちのペポル仕入明細書送受信機能を除いた4点をご紹介します。
2.適格請求書発行事業者の登録番号のチェック機能の搭載
【1】受信または手動で登録した仕入インボイス内の登録番号について、適格請求書発行事業者公表サイトのデータを検索し、まずは当該番号が存在すること(実在性)をチェックします。
【2】当該番号が存在する場合、仕入インボイス内の発行者名について、登録番号をキーにして適格請求書発行事業者公表サイトに記載されている「氏名又は名称」や「屋号」と比較し、異なっている場合は確認を促します。
【3】確認したパターンを保存し、次回以降同一の登録番号及び発行者名の組み合わせの適格請求書が届いた場合は、再度の確認を不要とします、
~具体的なイメージ例~
株式会社 TKC の登録番号が記載された領収書について、これまで「株式会社 TKC 栃木本社」や「株式会社 TKC 東京本社」という名称で受領した実績があったが、新たに「株式会社 TKC 栃木 SC サービスセンター」という名称で記載されていた場合、確認を促し、ボタンをクリックすると、当該確認実績が記録され、次回の確認は省略される。
3.詳細な仕訳生成機能の搭載
3.1 概要
デジタルインボイスには、取引先名・品名・課税分類コードでその他付随情報がセットされており、これらの情報を正確に読み込むことができます。
これらのデータを活用し、部門コード・勘定科目コード・取引先コード・課税区分コードの元となる取引種類から仕訳データを自動生成し、 FX 4クラウドに仕訳データを生成します。
証憑保存機能では取引先名から仕訳ルールを通して、仕訳を計上できる仕組みはありますが、この仕訳生成機能では、取引先名だけでなく、品名など、より多くの引数から明細単位で仕訳を生成できます。
この仕訳生成にあたっては、TKCで取得済みの「電子インボイスからの仕訳データ生成機能の特許技術」を活用します。(2021年9月取得)
3.2 インボイスから仕訳へのデータ変換
仕訳データの生成ロジックについてご紹介します。
大きな仕組みとしては、勘定科目や課税区分等を紐付けた「取引種類」を、仕入インボイスに指定することで仕訳データを生成します。
【1】インボイスの明細単位で、「取引種類」を指定
【2】指定した「取引種類」は、同一インボイス内の次行以降の明細(未指定の明細等に限る)に複写
【3】複写された「取引種類」を必要に応じて修正
【4】売り手、品名、税区分等のデータセットに対し、「取引種類」を記憶し、次回以降
、同じデータセットの仕入インボイスを受信した際には当該「取引種類」を初期値として自動セット
取引種類を指定すると、同じインボイス内で次の行以降の明細に、当該取引書類を複写します。
これにより明細件数が何百何千とあっても、簡単に「取引種類」を指定可能です。
また明細単位で必要に応じて修正した「取引種類」について取引先名・課税区分等のデータセットに対し、「取引種類」を記憶し次回以降同じデータセットの仕入インボイスを受信した際には、当該取引種類を初期設定として自動セットすることができる仕組みを採用します。
3.3 仕訳出力レイアウトの設計
次に仕訳データの出力機能についてご紹介します。
仕訳データの出力は基本的には FX 4クラウドを対象にして行いますが、購買システムや原価管理システムに連携するといったことも考えられます。
このようなことを踏まえて複数種類の出力レイアウトを設計できるようにします。
その種類ごとに CSV やエクセルファイルといったファイル形式を選択できるようにします。
出力先のシステムによっては、貸借区別なく読み込むケース、貸借区分別で貸借を区分し貸借それぞれの単位で行を読み込むケース、 貸借それぞれ別々の列で行が定義されているケースなどがあります。
上記いずれにも対応できるようにする予定になっています。
もちろん出力する列や順番等、日付形式や軽減対象取引区分の出力値など、システムの仕様によって異なる内容について、個別に指定できるようにする予定です。
4.承認・確定機能の強化
仕訳生成するにあたって、デジタルインボイスの受信の際に、担当者が誤った取引種類を選択していないかといった確認作業が重要となります。
この確認作業を支援するため、「承認・確定機能」を強化します。
【1】複数の承認権者による多段階の承認に対応
現在は1段階のみの確定機能を、複数の承認権者による多段階の承認に強化します。
【2】承認経路は「書類の種類」ごとに設定可能
「書類の種類」ごとに承認経路を設定できるようにして、金額や部署によって承認経路が異なるケースにも対応できるようにします。
【3】差し戻し処理を行えるようにし、その際には理由等を入力
差し戻し処理を行う際、その理由等を入力できるようにして担当者にその旨をを確認できるようにします。
【4】承認依頼や差し戻しなどの情報をホーム画面に表示し、事実が該当ユーザーに通知
【5】最終承認が行われた後、仕訳生成
仕訳生成は最終承認が行われた後行うようにいたします。
5.WEBサイト上の請求書データを印刷感覚で保存できる機能の搭載
ウェブサイト上の請求書データを印刷間隔で保存できるようにします。
現在ですと、ウェブサイトに表示された請求書データを保存する際、プリンタドライバーを利用して PDF ファイルに変換し、デスクトップ等に一旦保存し、そのファイルを証憑保存サービスでアップロードするといった作業を行っているものと思います。
この作業の簡素化のため「 TKC (インボイス)」というプリンタドライバーを設け、そのプリンタドライバーを選択し印刷ボタンをクリックするだけで 、PDF ファイルへの自動変換を行い直接「インボイス・マネジャー2023」に保存できるようにします。
今後 インターネット通販サイト(ECサイト)での取引がますます増加することが見込まれるなか、「 インボイス・マネジャー2023」を利用することでより簡単に電子取引データを保存できるようになります。
最後に~デジタルインボイスの制限事項と TKC での対応について~
デジタルインボイスでは様々な制限事項がありますが、こちらの記事では、これらのうち一部の内容についてのみ紹介します。
デジタルインボイスは国際的な標準仕様をベースとしている関係上、税込金額がセットできません。
TKCシステムでも特に対応策がないという状況のため、明細金額を税込ベースで記載されている請求書をデジタルインボイスでお送りする場合は、税抜きベースへの変更をご検討いただきたいと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました。
インボイス・マネジャーの導入を是非ご検討いただければ幸いです。
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